睡眠時無呼吸症候群とは?単なるイビキと思ってはいけない3つの理由。

更新日:6月30日


イビキがひどい、夜きちんと寝ているつもりなのに昼間に強い眠気がある、そのような症状がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。


この病気の方は日本に約200万人いると言われていますが、その約85%は診断されていないと言われています。



睡眠時無呼吸症候群の症状は?


次のような症状のある方は、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)の疑いが強いと思われます。


・大きなイビキをかく


・睡眠中に呼吸が止まっていると言われる。数秒~数十秒間呼吸が止まり、その後突然「ガ~~」といびきをかきだすのが特徴です。


・座って、うとうとしているときに、急に喉が詰まったようになって、「カッカッカッ、クー」となって目が覚めることがある。


・昼間の眠気が非常に強い。特に会議中、運転中などの集中しなくては行けないときに、眠くて起きていられないことがあります。


・起きたときに頭痛やだるさを感じる。


睡眠時無呼吸症候群の原因は?



睡眠時無呼吸症候群は多くの場合、「閉塞型」といって睡眠時に何らかの原因で気道が塞がれてしまうことが原因です。

一般的には肥満の方に多く、首周りの脂肪組織が寝ているときに落ち込むことで気道を塞いでしまうことが原因です。


肥満の方でなくても、顎が小さい、舌が大きいなどの原因で気道が塞がれてしまう場合があります。

そのため、痩せている方でも睡眠時無呼吸症候群になることがあるので注意が必要です。

このようなケースは日本人を含めた東アジアの人種に多いと言われています。



睡眠時無呼吸症候群を放置するとどうなる?


重症の睡眠時無呼吸症候群の方は、昼間に非常に強い眠気を感じやすいため、重大な自動車事故などを起こしてしまう可能性があります。


重度の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、短期間に複数回の事故を引き起こすことが多いと言われています。また、そのような人は睡眠時無呼吸症候群でない人に比べ交通事故のリスクが約2. 4倍であることが示されています。


また、睡眠中に低酸素状態に陥ることで、高血圧や重篤な不整脈、心不全などの病気を引き起こしてしまう場合があります。

睡眠時無呼吸症候群 高血圧 狭心症 心筋梗塞 心不全 不整脈 脳卒中 糖尿病
睡眠時無呼吸症候群の合併症

 Circ J 74.963-1084, 2010より引用



睡眠時無呼吸症候群の検査



睡眠時無呼吸症候群の症状に思い当たる方は、放置するのは大変危険ですので、まず一度検査を受けてください。


一般的には、まず家庭でできる簡易検査を行います。

対応可能な医療機関を受診し医師と相談のうえ、検査用の機械を貸し出してもらい自宅で検査を行います。

睡眠中の呼吸の状態や、血中酸素飽和度を測定して睡眠時無呼吸症候群の有無を検査します。

その結果、明らかな重症の睡眠時無呼吸症候群を診断される場合は後述するCPAP治療の適応となります。

検査の結果、さらに精密な検査が必要と判断された方は、一泊程度の検査入院が必要になります。

花園内科では、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行っています。


睡眠時無呼吸症候群の治療




検査の結果、中等症~重症の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、CPAPという治療を行います。


CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)とは、機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸を防止する治療法です。


CPAPは、15~20cm位の大きさであるCPAP機器本体と、あらかじめ設定した圧力で空気を送るチューブ、鼻に当てるマスクからなり、睡眠中はこれを装着します。


睡眠中にマスクを装着することは、最初違和感が大きい方が多いですが、多くの方が徐々に慣れて苦痛なく治療を続けることができます。


CPAPを使用することで昼間の眠気が大きく改善するため、多くの患者さんが「体調がすごくよくなった」と仰られます。


重症の睡眠時無呼吸症候群の患者さんにおいて、CPAP治療を行った場合と行わなかった場合とを比較した研究によると、CPAP治療を行った患者さんの方が明らかに長生きできたなど、多くの研究によって、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAPの効果が証明されています。


CPAPは、現在では中等~重症の閉塞型睡眠時無呼吸症候群の標準的治療法として広く用いられています。


CPAP開始後は、保険適応のルール上、月1回医療機関への通院が必要になります。


場合によっては、口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

まとめ


●睡眠時無呼吸症候群を放置すると、昼間の強い眠気で、交通事故などのリスクが高くなります。


●睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、心臓病、脳卒中などのリスクが高くなります。


●睡眠時無呼吸症候群は、CPAPなどの適切な治療で症状が大きく改善します。


このような理由から睡眠時無呼吸症候群は放置せずに、適切な診断、治療をうけることが非常に重要です。

気になる症状がある方は、ぜひ一度検査を受けてください。



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