循環器内科専門医が教える、血圧を下げた方がよい3つの理由
更新日:2020年12月5日

記事の要点
・血圧が高いと脳卒中になりやすい。
・血圧が高いと認知症になりやすい。
・血圧が高いと心臓病になりやすい。
高血圧は放置しておいてもよいか?
「血圧が高いって言われたけど、体調はいいし、まあ別に大丈夫じゃない?」と思われる方も多いと思います。
確かに血圧が高くても、すぐに何か症状が出るわけではないので、そう思われるのも無理はありません。
しかし、高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれており、放置するのは非常に危険です。
血圧が高いと脳卒中になりやすい
高血圧をそのままにしておくと、動脈硬化が進行し脳卒中が起こりやすくなります。
下図のように、上の血圧が140を超えると、正常な人と比べて5倍以上、180を超えると11倍以上脳卒中になりやすいという報告があります。

出典:高血圧治療ガイドライン
脳卒中は寝たきりになる原因第一位です。

血圧が高いと認知症になりやすい
血圧が高いと、脳の血管の障害が起こりやすくなり、認知症になりやすいという報告があります。
特に中年期から血圧が高いと、より認知症になる確率が高くなると言われています。
例えば、中年期から上の血圧が140以上あると、正常な人と比べて6倍認知症になりやすいです。

血圧が高いと心臓病になりやすい
血圧が高いと、心臓の筋肉に負担がかかり、心不全を起こしやすくなります。
また、動脈硬化によって心臓の筋肉を栄養する血管(冠動脈)が詰まりやすくなり、狭心症や心筋梗塞を起こしやすくなります。
やはり若いときから血圧が高いほど、心臓病になるリスクは高いです。
例えば30~64歳で上の血圧が160以上あると、心臓病で亡くなるリスクは正常な人の10倍程度になります。

まとめ
・血圧が高いと脳卒中になりやすい。
・血圧が高いと認知症になりやすい。
・血圧が高いと心臓病になりやすい。
いずれも、なってからでは遅いため、予防することが重要です。
健康寿命を伸ばすために、高血圧はしっかり治療しましょう。