高血圧って症状なければ大丈夫ですか?循環器内科専門医が解説します。
更新日:2020年12月29日

血圧が高くても、すぐには症状はでません。しかし、、
「健康診断で高血圧って言われたけど、特に頭が痛いとか、フラフラするとか、症状もないし、大丈夫ですよね?」
このように仰る患者さんはとても多いです。
高血圧による「自覚症状」というのは、よほど重症でない限り、実はそんなにありません。
そのため、血圧が高くても特に「自分は病気なんだ」という自覚が少ない方が多いように思います。
しかし、むしろ「症状がない」ということが、高血圧の恐ろしい点なのです。
高血圧は、海外では「サイレントキラー」と呼ばれることもあります。
血圧が高いと症状がなくても、徐々に動脈硬化が進行します。
そのため、放置すると脳卒中、心臓病、腎臓病などを起こす確率が大きく上がってしまいます。
例えば、高血圧の方が脳卒中になる確率は、血圧が正常な方の5倍から10倍以上になってしまいます。
初めて「症状がでる」時が、脳卒中を起こしたときで、そのまま寝たきりになってしまう、という方もおられます。

症状が出ないからと言って放っておくと、、、
何かしらの症状が出る病気であれば、誰でも「治療しなければ」と思い、しっかり薬を飲まれます。
例えば、肺炎などで苦しんでいるときに、「先生、薬は飲みたくないので何とか薬以外の方法で治してください」という方はおられません。
しかし、高血圧は症状がないために、「先生、高血圧の薬は絶対に飲みたくありません!」といって放置してしまう方が非常に多いです。
その結果、常に脳卒中や心筋梗塞のリスクが高い、という爆弾を抱えてしまうことになるのです。
繰り返しますが、「症状がない」ことが高血圧の恐ろしい点で、ここで放置してしまうと将来脳卒中、心臓病、認知症などのリスクが大きく上がってしまいます。
血圧が高い方は、症状がなくても必ず医師に相談しましょう。