高血圧との戦い ~アメリカでは~
更新日:2020年8月18日

アメリカ心臓病学会は、2017年に高血圧の定義を従来の140/90mmHgから130/80mmHg以上と変更しました。
その結果、現在アメリカでは1億人近くの治療が必要な高血圧患者がいると報告されています。
現在、日本では高血圧の定義は140/90mmHg以上となっていますし、当面それが変更されるという情報は入ってきていません。
なぜ、アメリカではこのような高血圧の定義変更がなされたのでしょうか?
アメリカの死亡原因第1位は循環器疾患、すなわち心臓病です。
アメリカでは約3人に1人が心臓病が原因で亡くなっているのです(日本人の死因トップはがん)。
さらに、アメリカでは心臓病でなくなる方が、2015年の83万6546人から2016年には84万678人に増加したと報告されています。
心筋梗塞や不整脈、弁膜症等の循環器疾患に対する治療技術は、近年急速に進歩しています。
にもかかわらず、心臓が原因で亡くなる方が増えているのです。
高血圧は心筋梗塞、狭心症、不整脈、弁膜症、心不全など、非常に多くの心疾患と密接に関連していることがわかっており、高血圧の治療を行うことでこれらの心臓病のリスクを下げることができることが科学的に証明されています。
循環器疾患で亡くなる人を少しでも減らすために、本腰を上げて高血圧と戦うことを、アメリカの医療界は宣言したと言えると思います。
我々日本人にとっても、高血圧の治療が非常に重要であることに変わりはありません。
高血圧を指摘された方は、早めに病院でご相談することをおすすめします。