• Hajime Ito

LDLコレステロールとは?高くなる原因は?高い方に是非知っておいてほしいこと。

最終更新: 3月5日


人間ドックで「LDLコレステロールが高い」と言われたけど、「コレステロールが高いくらい、まあいっか。」と放置していませんか?


LDLコレステロールは別名、「悪玉コレステロール」と呼ばれています。


なぜLDLコレステロールは「悪玉」なのか?

高いままにしておくとどうなるか?


循環器内科専門医が解説します。

LDLコレステロールとは?



コレステロールには、「LDLコレステロール」と「HDLコレステロール」があります。

この2つは名前は似ていますが、正反対の役割を持っています。


体内のコレステロールの約2/3は実は食べ物から吸収されたものではなく、自分の肝臓で合成されたものです。


肝臓で合成されたコレステロールを血管を通って全身の組織に届けているのが「LDLコレステロール」、血管内の余分なコレステロールを回収して肝臓に戻しているのが「HDLコレステロール」です。



LDLコレステロールは、なぜ「悪玉コレステロール」なの?

LDLコレステロールが高いと動脈硬化が進行します

血管内にあるLDLコレステロールが過剰になると、血管の壁に入り込んで徐々に蓄積していきます。


蓄積したコレステロールの成分は徐々に変性し、「プラーク」と呼ばれる塊になり、血管が詰まる原因となります。これが「動脈硬化」という現象です。


この「血管が詰まる原因になる」というのが、LDLコレステロールが「悪玉」と呼ばれる所以です。


一方、HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐ作用があるため、「善玉コレステロール」と呼ばれています。


LDLコレステロールはなぜ高くなる?

LDLコレステロールが上がる原因は、大きく分けて遺伝的な体質と生活習慣の2つがあります。


まれに遺伝的な要因が非常に大きい方で、若い段階からコレステロールが大きく上昇する方もいますが、多くの場合は遺伝的な体質と生活習慣の両方が関与しています。


生活習慣では、主にカロリーの取りすぎ、中でも飽和脂肪酸を多く含む脂分の多い牛肉や豚肉、加工食品の取りすぎが問題になります。


LDLコレステロールが高いとどうなる?


先程述べたように、LDLコレステロールが高いと動脈硬化が起こりやすくなり、血管が詰まる原因になります。


最も怖いのは、脳の血管が詰まる「脳梗塞」、心臓の血管が詰まる「心筋梗塞」です。


いずれも発症すると命に関わる重篤な病気です。


脳梗塞は一旦発症すると、麻痺が残ったり、ひどい場合は寝たきりになる場合もあるほか、

血管性の認知症を引き起こす原因にもなります。


心筋梗塞は突然死を引き起こしたり、治療に成功してもその後心不全を発症する原因になります。


この2つは発症してからでは遅いため、予防することが最も重要です。




LDLコレステロールが高い方は正常な方と比べて、脳梗塞は約3倍、心筋梗塞は約4倍程度起こりやすくなるという報告もあります。


LDLコレステロールが高いと言われた。どうすればいい?


LDLコレステロールが高いことによって、直接的な症状が出ることは殆どありません。

そのため「コレステロールが高いくらい、まあいっか。」と思ってしまわれる方が多くいらっしゃいます。


LDLコレステロールは、高くてもすぐに症状がでないのが逆に怖いところで、動脈硬化が徐々に進行し、最初に「症状」がでるのは脳梗塞や心筋梗塞を発症した時、ということになってしまう場合があります。


大事なことなので繰り返しますが、脳梗塞や心筋梗塞は発症前に予防することが最も重要です。

LDLコレステロールを治療するのは、将来脳梗塞や心筋梗塞になるのを予防するためです。



・食事、運動療法

LDLコレステロールが上がりやすいのは、飽和脂肪酸を多く含む脂身の多い牛や豚のバラ肉、鶏肉の皮、加工肉などです。これらはなるべく控えるようにしましょう。


また、食物繊維を多く含む野菜、きのこ、改装、果物、こんにゃくなどは、コレステロールの吸収を抑え、LDLコレステロールが下がりやすいので、積極的に摂取するようにしましょう。


不飽和脂肪酸を多く含む、サンマ、ブリ、イワシなどの魚は中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぐ効果もあるため、積極的に摂取してよいと思われます。


有酸素運動は、中性脂肪を減らしたり、HDLコレステロール(善玉)を増やす効果があります。肥満の予防のためにも定期的に運動しましょう。


・薬物療法


最もよく使うのは、スタチンという種類の薬です。


スタチンは、肝臓でコレステロールが合成されすぎるのを抑える作用があり、LDLコレステロールを下げることができます。


スタチンを飲むことで、多くの方がLDLコレステロールをきっちり下げることができ、脳梗塞や心筋梗塞を発症するリスクが大きく下がることが、科学的に証明されています。


そのため、スタチンは世界中で4千万人近くの方が内服しています。


余談ですが、スタチンを世界で最初に開発したのは、日本人の遠藤 章 先生です。

同じ日本人としてとても誇らしく思います。

日本人が発明し、脳梗塞や心筋梗塞を劇的に減らしたコレステロールの薬とは?


最も効果的なのはスタチンですが、患者さんの状態に応じて他の薬を使ったり、組み合わせて使ったりする場合もあります。


まとめ


・LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は、遺伝的な体質と生活習慣によって高くなります。


・LDLコレステロールが高いと、将来、脳梗塞や心筋梗塞になるリスクが高くなります。


・LDLコレステロールが高い方は、食事・運動療法、薬物療法で治療する必要があります。


・スタチンによる薬物療法は、LDLコレステロール低下のみならず、脳梗塞や心筋梗塞のリスクを下げる効果があります。

私は循環器内科専門医として、心筋梗塞を発症してしまい生死の境をさまよった方を何人も診てきました。


そのうちの何人かは、LDLコレステロールの治療をしっかりしていれば、心筋梗塞にならずにすんだかもしれません。


予防にまさる治療はありません。


LDLコレステロールが高い方は、放置せずにしっかり治療することを強くおすすめします。

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