足のむくみは心臓病?受診目安を循環器内科医が解説
- 伊藤 創
- 6月17日
- 読了時間: 9分
夕方になると靴がきつい、靴下の跡がくっきり残る、すねを押すとへこんだまま戻りにくい。このような「むくみ」は、日常的によくみられる症状です。立ち仕事、座りっぱなし、塩分の多い食事、運動不足などで起こることもあります。
一方で、むくみが急に強くなった、息切れや体重増加を伴う、横になると息苦しいといった場合は、心不全など心臓の病気が関係している可能性があります。むくみだけで診断はできませんが、症状の組み合わせによっては早めの受診が必要です。
豊田市周辺で足のむくみや息切れが気になる方は、内科・循環器内科で相談できます。
この記事で分かること
・足のむくみが起こる主な原因
・心臓病が関係するむくみの特徴
・救急受診を検討すべき危険な症状
・内科・循環器内科で行う検査・むくみを予防・管理する生活上の注意点
むくみとは
むくみとは、皮膚の下に余分な水分がたまった状態です。医学的には「浮腫」と呼ばれます。足首、すね、足の甲に出やすく、指で押すと跡が残ることがあります。
むくみは、長時間の立ち仕事や座り仕事、運動不足、塩分のとりすぎ、月経周期、薬の影響などでも起こります。そのため、むくみがあるからといって、すぐに心臓病と決まるわけではありません。
ただし、むくみが両足に出る、数日で体重が増える、息切れを伴う、夜間に息苦しくて目が覚める場合は、心臓や腎臓など全身の病気が関係していることがあります。特に高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病の既往がある方は注意が必要です。
足のむくみの主な原因
生活習慣や姿勢によるむくみ
長時間立っている、座ったまま過ごす、運動量が少ないと、足の血液や水分が心臓へ戻りにくくなります。その結果、夕方に足がむくみやすくなります。
また、塩分を多くとると体に水分をためこみやすくなります。外食、加工食品、麺類の汁、漬物、惣菜などが多い食生活では、知らないうちに塩分摂取量が増えることがあります。
梅雨時期は活動量が落ちやすく、気圧や気温の変化で体調が不安定になりやすい時期です。6月にむくみを感じやすくなる方もいますが、症状が続く場合は生活習慣だけで判断しないことが大切です。
心不全によるむくみ
心不全とは、心臓の働きが低下し、全身に十分な血液を送り出しにくくなった状態です。心臓のポンプ機能が落ちたり、心臓に負担がかかったりすると、体に水分がたまりやすくなり、足のむくみや息切れが出ることがあります。
心不全のむくみでは、次のような症状を伴うことがあります。
・階段や坂道で息切れしやすい
・横になると息苦しい
・夜間に息苦しくて起きる
・数日から1週間で体重が増えた
・足の甲やすねのむくみが強い
・疲れやすく、食欲が落ちている
心不全は、狭心症・心筋梗塞、高血圧、弁膜症、不整脈、心筋症などさまざまな病気を背景に起こることがあります。むくみと息切れが一緒にある場合は、循環器内科での評価が重要です。
腎臓病、肝臓病、甲状腺の病気
むくみは心臓以外の病気でも起こります。腎臓の働きが低下すると、体の水分や塩分を調整しにくくなり、むくみが出ることがあります。肝臓の病気では、血液中のたんぱく質が低下し、むくみや腹水につながることがあります。
甲状腺機能低下症では、顔や手足がむくむ、寒がりになる、だるい、体重が増えるなどの症状が出ることがあります。むくみの診療では、血液検査や尿検査で全身の状態を確認することが大切です。
薬の影響
一部の血圧の薬、痛み止め、ホルモン剤などでむくみが出ることがあります。ただし、自己判断で薬を中止するのは危険です。薬を飲み始めてからむくみが気になる場合は、処方した医療機関に相談してください。
心臓病が関係するむくみの特徴
心臓病によるむくみは、足だけでなく全身の症状と一緒に現れることがあります。
特に次のような組み合わせは注意が必要です。
・足のむくみと息切れがある
・急に体重が増えた
・夜、横になると息苦しい
・動くと以前より疲れやすい
・脈が乱れる、動悸がある
・高血圧や心臓病の治療中で症状が悪化した
むくみの程度だけで緊急性を判断することはできません。軽いむくみに見えても、息切れや体重増加を伴う場合は心不全の悪化が隠れていることがあります。

救急受診を検討すべき症状
次のような症状がある場合は、通常の外来予約を待たず、救急受診や救急相談を検討してください。
・強い息苦しさがある
・横になれないほど呼吸が苦しい
・胸の痛みや圧迫感を伴う
・冷や汗、吐き気、意識が遠のく感じがある
・唇や顔色が悪い
・急に片足だけが強く腫れ、痛みや熱感がある
・心臓病の治療中で、むくみや息切れが急に悪化した
急な片足の腫れでは、血栓など血管の病気が関係することもあります。胸痛や強い息切れを伴う場合は、自己判断で様子を見すぎないことが大切です。
内科・循環器内科を受診すべき目安
緊急ではない場合でも、次のようなむくみがある方は受診を検討してください。
・むくみが数日以上続く
・朝になってもむくみが改善しにくい
・両足のむくみが目立つ
・息切れ、動悸、胸の違和感を伴う
・1週間で2〜3kg程度体重が増えた
・高血圧、糖尿病、脂質異常症、腎臓病がある
・心不全、弁膜症、不整脈、狭心症などの既往がある
・健康診断で心電図異常、心雑音、腎機能異常を指摘された
豊田市、みよし市、刈谷市北部、知立市周辺でむくみが続く方は、内科・循環器内科で相談できます。原因によっては、近隣の基幹病院と連携して詳しい検査や治療を行うことがあります。
循環器内科で行う主な検査
問診と診察
いつからむくみがあるか、朝と夕方で変化するか、体重が増えているか、息切れや胸痛があるかを確認します。足のむくみの左右差、皮膚の色、心音、肺の音、血圧、脈拍なども診察します。
診察前に、体重の変化、むくみが強い時間帯、食事内容、飲んでいる薬をメモしておくと役立ちます。
血液検査・尿検査
貧血、腎機能、肝機能、甲状腺機能、糖尿病、脂質異常症などを確認します。心不全が疑われる場合には、BNPやNT-proBNPという心臓への負担を反映する検査を行うことがあります。
BNPやNT-proBNPは、数値だけで診断を確定するものではありません。年齢、腎機能、症状、心エコー検査などを組み合わせて判断します。
心電図検査
不整脈、心筋梗塞の既往、心臓への負担などを確認します。むくみと動悸がある場合には、心房細動などの不整脈がないかを調べることがあります。
胸部レントゲン検査
心臓の大きさ、肺に水分がたまっていないか、胸水がないかなどを確認します。息切れを伴うむくみでは、心不全の評価に役立つことがあります。
心エコー検査
心エコー検査は、超音波で心臓の動き、弁の状態、心臓の大きさ、ポンプ機能を確認する検査です。心不全、弁膜症、心筋症などが疑われる場合に重要です。
むくみの治療と生活管理の考え方
むくみの治療は、原因によって異なります。生活習慣や姿勢が主な原因であれば、塩分を控える、こまめに歩く、足を上げる、長時間同じ姿勢を避けるなどが役立つことがあります。
心不全や腎臓病が関係している場合は、原因となる病気の治療や薬の調整が必要になることがあります。利尿薬などが使われる場合もありますが、薬の種類や量は病状によって異なります。自己判断で市販薬やサプリメントを使ったり、処方薬を中止したりすることは避けてください。
日常生活では、毎日の体重測定が役立ちます。急な体重増加は、体に水分がたまっているサインになることがあります。心不全で通院中の方は、医師から指示された体重・血圧・塩分制限・水分摂取の目安を守ることが大切です。
豊田市周辺で受診を検討すべきケース
豊田市周辺で「足のむくみが続く」「息切れもある」「健診で心電図異常や腎機能異常を指摘された」という方は、内科・循環器内科で相談できます。
特に、高血圧、糖尿病、脂質異常症がある方は、心臓や血管に負担がかかりやすくなります。むくみが心臓病の初期サインとして現れることもあるため、症状を記録して早めに相談することが大切です。
外来での評価で専門的な検査や入院治療が必要と判断される場合は、近隣の基幹病院と連携して対応します。
まとめ
足のむくみは、立ち仕事や座りっぱなし、塩分のとりすぎなど日常的な原因でも起こります。一方で、心不全、腎臓病、肝臓病、甲状腺の病気、薬の影響などが関係する場合もあります。
特に、むくみと息切れ、急な体重増加、胸痛、動悸、横になると息苦しい症状がある場合は、心臓への負担を確認する必要があります。強い息苦しさや胸痛を伴う場合は、救急受診を検討してください。
豊田市周辺でむくみが続く方は、内科・循環器内科で相談できます。早めに原因を確認することで、必要な治療や生活管理につなげやすくなります。
FAQ
Q. 足のむくみは心臓病のサインですか?
A. 心臓病が関係することはありますが、むくみだけで診断はできません。息切れ、体重増加、動悸、胸の違和感を伴う場合は、循環器内科で相談してください。
Q. 夕方だけ足がむくむ場合も受診した方がよいですか?
A. 長時間の立ち仕事や座り仕事で夕方にむくむことはあります。ただし、むくみが強い、朝になっても戻らない、息切れを伴う場合は受診を検討してください。
Q. むくみと息切れがある場合は何科に行けばよいですか?
A. 内科または循環器内科で相談できます。心不全や不整脈、弁膜症などが関係する場合があるため、心電図、血液検査、心エコー検査などで確認します。
Q. 心不全のむくみにはどのような特徴がありますか?
A. 両足のむくみ、息切れ、急な体重増加、横になると息苦しい、夜間の息苦しさなどを伴うことがあります。症状が急に悪化した場合は早めの受診が必要です。
Q. むくみがあるときに水分を控えればよいですか?
A. 自己判断で極端に水分を制限することは避けてください。脱水や腎機能悪化につながることがあります。心不全や腎臓病で通院中の方は、医師の指示に従ってください。
Q. 塩分を控えるとむくみは改善しますか?
A. 塩分のとりすぎが関係するむくみでは、減塩が役立つことがあります。ただし、心臓病や腎臓病などが背景にある場合は、原因に応じた治療が必要です。
Q. 片足だけ急にむくんだ場合も心臓病ですか?
A. 片足だけ急に腫れて痛みや熱感がある場合は、血管の病気なども考える必要があります。胸痛や息切れを伴う場合は救急受診を検討してください。
参照
監修・免責
監修者:花園内科 院長 伊藤 創(内科認定医/循環器内科専門医)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の診断・治療を保証・推奨するものではありません。症状や検査値の意味、治療方針には個人差があります。診断・治療に関する最終的な判断は、必ず医師の診察を受けてご相談ください。


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