• Hajime Ito

映画「アリスのままで」に見るアルツハイマー病のリアル。


映画「アリスのままで」を観ました。


主人公アリスは名門大学の講師ですが、ある時、講義中によく知ってるはずの単語が出てこなくなります。

その後、ジョギング中に普段走っている道順を忘れてしまい、迷ってしまいます。

アリスは若年性アルツハイマー病と診断され、彼女と家族の苦悩の日々が始まります・・


若年性アルツハイマー病自体は非常に珍しい疾患ですが、症状自体は一般的なアルツハイマー病と同じで、この映画ではその特徴がアルツハイマーの初期から進行した状態まで、丁寧に描かれています。


映画の前半、アリスが既に独立している子供たちを自宅に招いて、クリスマスパーティーを開くシーンがあります。


息子からガールフレンドを紹介され挨拶しますが、数分後には挨拶したことを忘れ、「初めまして」と言ってしまいます。


年相応の自然な物忘れ(認知症ではない)では、「人の名前が思い出せない」ということはありますが、言われれば思い出します。


それに対し、アルツハイマー型認知症の患者さんは「会ったこと自体を忘れてしまう」のです。また近時記憶障害といって、最近起こったことの方が忘れやすいため、例えば「朝食をとったこと自体を忘れて、また食べてしまう」といったことが起こります。


アリスはパーティーのために、娘が昔から大好きだったというお菓子を作ろうとしますが、得意料理のはずなのに作り方を忘れてしまい、こっそりスマホで調べて何とか作ることができました。


アルツハイマー型認知症では判断力が低下し、特に女性の場合、普段やっている料理の手順を忘れるというのは、代表的な症状の一つです。


映画では、懸命に彼女を支える家族の姿も描かれています。

現実では一筋縄ではいかないことも非常に多いですが、やはり周囲が病気の正しい知識を持つことは非常に重要だと思います。


主演のジュリアン・ムーアは、徐々に変わっていくアリスを素晴らしい演技で熱演し、本作でアカデミー賞主演女優賞を受賞しています。


とても素晴らしい映画です。

是非一度ご覧ください。



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