健診でLDLコレステロールが高い人が最初にすべき3つのこと
- 伊藤 創
- 6月16日
- 読了時間: 5分
健康診断で「LDLコレステロールが高い」と指摘されても、すぐに慌てる必要はありません。
大切なのは、結果を放置せず、生活習慣を見直し、必要なら医療機関で相談することです。
この記事では、LDLコレステロールが高いと言われたときに最初にすべきことを、基準値とあわせて分かりやすく解説します。
健診で「LDLコレステロールが高い」とは、どの数値から?
結論として、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が140mg/dL以上で「高LDLコレステロール血症」と診断されます。
120〜139mg/dLは「境界域」とされ、注意が必要な範囲です。
これは日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」で定められた基準です。
LDLコレステロールは、血管の壁にたまって動脈硬化を進める働きがあるため「悪玉」と呼ばれます。
健診の結果票で「LDL-C」と書かれている項目が、この数値です。
健診では、LDLのほかにHDL(善玉)コレステロールや中性脂肪も同時に測られます。
LDLが140以上でも、すぐ病気というわけではなく、「動脈硬化が進みやすい状態」を示すサインと考えてください。
最近は、LDLに加えて「non-HDLコレステロール」という指標も重視されています。
これは総コレステロールからHDLを引いた値で、170mg/dL以上が基準とされ、動脈硬化のリスクをより幅広くとらえられます。
脂質の基本的な違いについては、別記事「脂質異常症とは何か」もあわせてご覧ください。
LDLコレステロールが高いと、何が問題なの?
最大の問題は、自覚症状のないまま動脈硬化が静かに進むことです。
コレステロールが血管の内側に少しずつたまり、血管が硬く狭くなっていきます。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気のリスクが高まります。
怖いのは、LDLコレステロールが高くても、痛みなどの症状がほとんど出ない点です。
だからこそ、健診の数値は体からの大切なサインといえます。
動脈硬化は一日で進むものではなく、数年から数十年かけてゆっくり進行します。
つまり、早い段階で対策を始めるほど、効果が期待できるということです。
なお、LDLが極端に高い場合は、遺伝的な体質(家族性高コレステロール血症)が関係していることもあります。
「LDLが高い」と言われたら、まず何をすべき?
やるべきことは、大きく3つあります。
1つ目は、結果を放置せず、できれば一度医療機関で相談することです。
2つ目は、食事や運動など生活習慣を見直すことです。
3つ目は、HDLコレステロールや中性脂肪など、他の脂質の数値もあわせて確認することです。
LDLだけでなく、中性脂肪が高い、HDL(善玉)が低い場合は、リスクがさらに重なります。
喫煙・高血圧・糖尿病などがある方は、より早めの相談がすすめられます。
再検査をすすめられた場合は、医療機関の指示に沿って受けましょう。
検査値は体調や食事の影響で多少前後するため、一度の数値だけで判断しないことも大切です。
医師は年齢や持病、家族歴などを総合的に見て、どこまで下げるべきかを判断します。
毎回の数値を記録しておくと、生活習慣の見直しによる変化が分かりやすくなります。
生活習慣でLDLコレステロールを下げるには?
食事の基本は、飽和脂肪酸を減らし、食物繊維を増やすことです。
肉の脂身やバター、揚げ物、菓子パンなどは控えめにする
野菜・海藻・きのこ・大豆製品・青魚を増やす
食物繊維の多い食事を心がける
飽和脂肪酸は、肉の脂やバター、生クリーム、インスタント食品などに多く含まれます。
調理油をオリーブ油などの植物油に置き換えると、脂質のバランスを整えやすくなります。
食物繊維は、野菜・きのこ・海藻・豆類・玄米などに多く、コレステロールの吸収をおだやかにします。
青魚に含まれる脂(EPA・DHA)も、脂質のバランスを助けてくれます。
運動は、ウォーキングなどの有酸素運動を週に合計150分程度が目安です。
1回20〜30分の早歩きを、無理のない範囲で続けることから始めましょう。
あわせて、禁煙や適正体重の維持も、数値の改善に役立ちます。
お酒の飲みすぎや甘い物のとりすぎも、脂質の数値を悪化させる一因です。
無理な食事制限より、続けられる範囲でこつこつ取り組むことが、改善への近道です。
中性脂肪も気になる方は、別記事「中性脂肪を下げる方法」も参考になります。

すぐに薬が必要になるの?
必ずしも、すぐに薬を飲むわけではありませんが、もともとの数値が高い方や、心筋梗塞・糖尿病などがある方は、早めに薬を検討することもあります。
薬による治療を始めても、食事や運動の見直しは引き続き大切です。
薬は生活習慣の改善を土台にして、足りない分を補う役割と考えると分かりやすいでしょう。
薬を始めるかどうか、また減らしたり止めたりする判断は、自己判断せず、必ず医師と相談して決めましょう。
気になる数値や症状があれば、早めに医療機関へご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. LDLコレステロールが高いと、すぐ病院に行くべきですか?
放置はおすすめできません。特に140mg/dL以上が続く場合や、高血圧・糖尿病・喫煙などがある場合は、一度医療機関で相談しましょう。
Q2. 食事を変えれば、薬を飲まずに下げられますか?
軽度であれば、生活習慣の改善だけで数値が下がる方もいます。ただし効果には個人差があり、体質や遺伝の影響も大きいため、自己判断せず医師に確認することが大切です。
Q3. 再検査では何に気をつければいいですか?
検査前の食事の影響を避けるため、医療機関の指示に従ってください。LDLだけでなく、中性脂肪やHDLコレステロールも含めて総合的に評価します。
参考文献・出典
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」
厚生労働省 e-ヘルスネット「脂質異常症」
監修
伊藤創 循環器内科専門医
当院は愛知県豊田市花園町周辺で内科診療を行っています。本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。気になる症状や数値がある方は、お気軽に医療機関へご相談ください。



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