高血圧
健康診断で、血圧が高いと言われました。
体調は全然問題ないし、そんなに心配ないですよね?
いえ、高血圧を放置するのは非常に危険です。高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と言われています。
えっ、殺し屋。。。?
高血圧はどうして、そんなに怖いのですか?
高血圧を放置すると、動脈硬化が進行します。また、心臓や腎臓にも負担がかかるため、様々な合併症を引き起こします。
なるほど。
でも、いまひとつピンとこないですね。
具体的にどんな病気になるのですか?
まず、脳卒中になる確率は、血圧正常な人と比べて5~10倍程度と言われています。寝たきりとなる原因の多くは脳卒中です。
心筋梗塞、心不全、腎不全になるリスクも高くなります。いずれも命に関わる病気です。
今は症状がなくても、そんな怖い病気になるリスクがあるんですね。
将来、寝たきりになったらやだなあ。
中年期から血圧が高いと、血管性認知症になる確率が、血圧正常な人と比べて6~10倍程度、という報告もあります。
認知症にもなりやすいんだ!
将来家族に迷惑かけたくないし、ちゃんと治療したほうがよさそうですね。
はい。健康寿命を伸ばすために、高血圧はしっかり治療したほうが良いと思います。
花園内科では循環器専門医が高血圧の治療を行います。いつでもご相談ください!
よろしくおねがいします!
高血圧とは
高血圧とは一言でいうと、血管に過度な圧力による負担がかかっている状態のことです。
現在の医療現場では以下のような基準で、高血圧と診断しています。
病院や健診施設などで測定した場合:140/90mmHg以上、自宅で測定した場合:135/85mmHg以上。
高血圧を放っておくと
よほど重症でない限りは、高血圧による直接的な自覚症状はないことがほとんどです。
しかし、高血圧を放置すると徐々に動脈硬化が進行します。
動脈硬化が起きた血管は、もろく破れやすくなり、さらに内腔が細くなって詰まりやすくなります。
その結果、以下のような病気を発症するリスクが高くなってしまうのです。
・脳出血、脳梗塞:脳の血管が破れたり、詰まったりすることで起こります。
・腎不全:腎臓は小さい血管の塊なので、動脈硬化によって腎臓の機能が低下します。
血圧が高いほど、心臓病で亡くなるリスクが高まります。
特に若い方で血圧が高い方は、正常の方に比べて数倍~20倍近くのリスク上昇となっています。
高血圧の治療
高血圧を治療する目的は「血圧の数字を下げること」ではなく、上記のような重大な病気になるのを予防することです。
治療の方法は、①生活習慣の改善、②薬物治療の2本柱です。
①生活習慣の改善
食事療法
食事療法のポイント
・減塩 1日6g以下が目標(日本人の平均塩分摂取量1日11g)
・緑黄色野菜、魚を積極的に食べる。(カリウム、カルシウム、食物繊維を含むものがよい)
運動療法
エネルギー源としてカラダに蓄積されている体脂肪が使われる有酸素運動が効果的です。
例:ウォーキング、ジョギング、水泳など。
週3,4回程度、1回20-30分程度かけて行うのが望ましいです。ただ、無理はしないでください。
長期間継続することが最も重要です。自分の生活の中に習慣として運動を取り入れましょう。
また、病状によってはあまり運動できない場合もあるので、ご相談ください。
②薬物治療
薬物治療は生活習慣の改善を行った上で始めるのが基本です。
薬も様々な種類があるので、患者さんごとに最適と思われるものを処方します。
薬を飲むことに抵抗がある方も多いかと思います。
しかし、生活習慣の改善を行った上でも血圧が高い場合、放置するのは危険です。
患者さんと相談しながら、最適な薬物療法を行っていきますので、お気軽にご相談ください。
文責: 循環器内科専門医 伊藤創