そろそろ血圧が気になる年齢になったので血圧計を買ってみた、病院で血圧を家でも測るよう言われた、という方は多くいらっしゃいます。
それでは、あなたは血圧の正しい測り方をご存知でしょうか?
循環器内科専門医が解説します。
家庭血圧測定の重要性
家庭血圧を測ると、白衣高血圧(病院での測定で緊張などの影響で血圧が普段より上昇すること)、朝の高血圧、仮面高血圧(病院での血圧は正常だが、家庭などでの測定では血圧が上昇していること)などの診断にも有用で、季節変動などの長期的な血圧変動の評価も可能です。
そのため、高血圧の診断や治療の効果を判定するため、家庭血圧を測定することが強く推奨されています。
日本では各メーカーより自宅で使用可能な電子血圧計が多数市販されており、国産のものに関してはいずれも精度は問題ないとされています。
血圧計は主に、上腕で測るものと、手首で測るものが市販されていますが、精度は上腕で測るものの方が優れているため、なるべく上腕で測るものを購入するようにしましょう。
家庭血圧の測り方
家庭血圧は正しい方法、正しいタイミングで測定することで、より診断的価値が高まります。
以下に家庭血圧の正しい測り方を記載します。
測定環境
・静かで適切な室温の環境。特に冬の寒さは血圧上昇につながるので、適宜暖房を使用する。
・背もたれ付きの椅子に、足を組まずに座って1-2分の安静後。
・会話をかわさない環境。
・測定前に喫煙、飲酒、カフェイン摂取をしない。
・原則として利き手の反対側で測定する。
測定条件
・朝起床後1時間以内。排尿後で朝の服薬前に測定。
・就寝前。
測定回数
・できれば2回連続で測定し、その平均値をとる。
少なくとも1週間程度は連続して測定し、その平均値を評価します。
朝、晩いずれかの平均値が135/85mmHg以上であれば高血圧と診断されます。
まとめ
測定値や測り忘れに一喜一憂する必要はありません。
継続して家庭血圧の測定を行うことが、良好な血圧管理の第一歩です。
是非参考にしてください。
参考文献:高血圧治療ガイドライン2019 (日本高血圧学会)
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